2013年9月29日日曜日

買い付け・3


本日はあいにくの雨模様。
しかし”小雨程度なら実施される”と聞いていたため、美術館に行く途中ではありましたが、少しだけ寄っていくことにしました。

雨はよく降りますが、降ってもせいぜい2時間程です。



「コレクターズ・マーケット」
毎週日曜日、午前10時〜午後1時。


マーケットが行なわれる場所へ到着すると、そこは想像していた感じとは違い、「規模は小さく、扱っている商品も限られた物」しかありませんでした。

「雨が降ってるから、出展を控えた人が多かったのかなあ?」と、思っていましたが、聞くところによると・・・

「この時期はバケーションで多くの人達は遠出をし、まだ休暇先から戻って来ていないだけ」とのことでした。
また商品が限られている事も・・・
「もともと何十年も前からある、”コレクターズクラブ”の催しで、主にクラブの人達が自慢のコレクションを持ち寄り、気に入った物を交換・売買していたために扱う物が偏っている。」とのことでした。

主は物は、「バッジやコイン・切手に古書」といったところです。
勿論、私たちのような観光客でも購入する事はできます。


小雨の中、ご苦労様です。

晴れてきました!
気が付けばそこに居る人達(売り手も買い手も)の殆どが男性です。完全に”男の趣味の世界”です。(手前に写っている女性は稀です)

古本屋さんです。少し見せて頂くことにしました。。

このおじさん、「これは◯◯で・・・それは××で・・・」と、親切に説明をしてくれます。(たとえ客であろうと、知人でもないのに愛想の良い人はなかなかいません)
”何か面白い本がありそうだ”と、腰を下ろして本に手を伸ばしたその時、コインを抱えた別の男性が声をかけてきました。

「コインはどう?」

するとこのおじさん、先程までの笑顔が一瞬にして”鬼の形相”に!!

「コノヤロー!割り込んでくるんじゃねぇ!この人達は今俺んとこ見てんだっ!とっとと失せやがれっ!!!」(ロシア語です・・・でも間違いありません!)

ビックリです!確かにルール違反だとは思うのですが、何もそこまで怒らなくても・・・


その後は先程までの”愛想の良いおじさん”でいてくれました。


面白い本を発見!

私:「これはどう?お店に置いても売れないだろうけど、面白いよね!?」
妻:「面白いね、いいと思うよ、なかなか売れないだろうけど。」

ソビエト崩壊翌年の「ハバロフスク市の電話帳」です。


何冊かの古書を購入し、少し遅れて美術館へと向いました。




「ミュージアム・ショップ」
極東美術館のミュージアムショップ「ダリ・アート」。

妻は初めて美術館に来たときから気になる物があったようです。

「こぐまのミーシャ」

こぐまのミーシャ・・・1980年に開催されたモスクワオリンピック(日本を含むアメリカを中心とした西側諸国の多くがボイコットした幻のオリンピック)の公式マスコットキャラクター。30年以上の時を経た今も、世界中にいる多くのファンに愛され続けています。



ショーケースの中には2体のミーシャがいました。1体はガラス製で、もう1体は陶器で出来ています。

「ガラス製のミーシャは今まで見た事がない」と妻は言っています。
「じゃあ、この2体は”買い”だね!」

2体ともその場で購入してもよかったのですが、今回極東美術館には大変お世話になっているので、「できるだけ買い付けも美術館のミュージアムショップでしよう」と話していました。欲しい物の目星を付けておき、帰国前にまとめて購入するつもりでいました。


その後も妻は毎日美術館に来る度に、”ミーシャがいる”ことを確認していたそうです。


帰国3日前のこと。
いつものように美術館へ行き作業をしている私に妻が言います。

「・・・陶器のミーシャがいない。」
「・・・グリーシャさん(ミュージアムショップのボス)に確認してみたら。配置換えしたただけかもしれないし」

グリーシャさんの話によると、「前日に来たオーストラリアからの観光客が陶器のミーシャを買って行った。」という事でした。

「あ〜、あの時買っておけば・・・せめて購入する意思さえ伝えておけば・・・」(後の祭りです)

”欲しいと思った時が、買い時” でした。


残念ながら「陶器のミーシャ」は居なくなってしまいましたが、もう1体の「ガラスのミーシャ」は無事購入することができました。

私たちはこの「ガラスのミーシャ」を、”置物”だとばかり思っていたのですが、実際には、子供用のオードトワレ入れ(香水瓶)でした。

グリーシャさん曰く、

「このミーシャは珍しい物で、今では探してもなかなか出てこないよ。」


超レア物!?「オードトワレ入れ」のミーシャ

中身は入っていませんでしたが、香りがほのかにが残っています。





「ソビエトのプロパガンダ・ポスター」

冷戦時代のソビエト連邦で、特定の思想・行動へと誘導する意図を持って作られたポスター。
レプリカではなく当時の本物のポスターは1000ドル以上するそうです。(デザインによりけり)

ミュージアムショップに「本物」はありませんでしたが、「レプリカ・縮小版」があったので、何枚か購入致しました。(勿論、極東美術館には当時のオリジナルがたくさん展示してあります。)










「ソビエトのビンテージ・ピンバッジ」

面白いバランスのチェブラーシカがいます。

ハリネズミはロシアの定番モチーフの1つですね。

見る角度で絵柄が変わるタイプのバッジです。


ミュージアムショップでは、他にもいろいろと面白い品を購入することができました。
また全体の買い付けとしても、「バラエティに富んだアイテムをたくさん仕入れる事が出来、満足のいく仕事ができた!」と妻は申しておりました。



ロシア雑貨・買い付け終了。




2013年9月27日金曜日

買い付け・2


「買い付け再開」

レーニン広場からアパートへ戻り重い荷物を下ろすと、事前に教えて頂いていた情報を頼りに、再度買い付けに出かけて行きました。

重たかった荷物はアパートに。足取りも軽やかです。

買い付けも天候も関係なかったようです。(ただロシアに居ることが楽しいんだね!?)

荷物を持っていないと坂道も楽チン!



「ロシアの車事情」

街を歩いていると、時折かっこいい車を見かけます。
「ハバロフスク:80%以上、ウラジオストク:95%以上。」
この数字はその都市で走っている「日本車(中古車)」の割合なんだそうです。(ただし正確なデータではありません。99%が日本車だ!という方もみえます)

そして私が惹かれる車は、いつもロシア製!



「生地屋さん」

お店に到着。
狭い店内を見渡すと、そこには色とりどり無数の生地が積み上げられています。私には何が何だかさっぱりわかりませんが、妻は一通り店内の商品を見た後、お店の人に声をかけました。

「ヤー(私) ハチュー(欲しい) エータ(これ)・・・」と、次々にオーダーしていきます。
「決断力あるね〜」と私が言うと、
「そうしないとどれだけ時間があっても足りないから。」と。(さすが買い付けに慣れてらっしゃる)


オーダーしたサイズに裁断していきます。

可愛いロシアっぽい(?)イラストがプリントされた生地です。他にも数種類の生地を購入していました。

これも購入。チェブラーシカのワッペンです。

???



生地屋さんを後にし、次は玩具屋さんを目指します。
途中喉が乾き水を買いにスーパーに立ち寄ると、入り口にこんなシールが貼られていました。

ロシアならでは?

そしてちゃっかり水以外に、こんな物も購入していました。

サウナキャップです。

妻いわく、「スーパーの生活雑貨コーナーには、たまに掘り出し物があったりする!」だそうです。



街並を眺めながら玩具屋さんを目指します。


途中、靴屋さんのショーウィンドウに可愛いブーツを発見!!

迷うことなく購入!



「広告」

街を歩いていると様々な種類の広告を目にすることが出来ます。
お店の看板やビルボードは勿論のこと、ベンチに広告がうってあったり、アパートの壁に落書きではない何かが書いてあったり。
中でも「これは面白い!日本ではなかなかお目にかかれないだろうな。」という広告がありました。こちらです!



路上に直接ペイント(印刷?)してあります。
ちなみに場所は、ハバロフスク一の目抜き通り「ムラヴィヨフ・アムールスキー通り」の、これまた一番人が溜まる「交差点付近」。(宣伝効果バッチリです)
しかしながら、一体この広告はどういうことなのでしょうか?
「描いては消され、また描いては消され」の”イタチごっこ”なのか?、それとも許可を得て描いているのか?(そもそも許可が下りるとは思えませんが)、はたまた「誰もそんなこと知ったこっちゃない!」のか?・・・ともあれ面白い広告です。(住所?や電話番号?が書いてあるわけだから、無許可ってことはないな〜)



「玩具屋さん」

「玩具屋のある通りは住宅地で、周りに他のお店は無いから行けばわかると思います。」

事前に美術館のスタッフさんから、そう聞いてはいたものの、「果たしてそんな場所で玩具屋が成立するのか?」と、その存在にすら疑問を抱き始めた矢先・・・

ありました!教えて頂いた通りです。周りに他のお店はなく、ただ薄紫色の建物がポツンと1つだけ建っています。(そんな玩具屋さんだからこそ、掘り出し物がありそうです!)




中に入ってみます・・・・

”意外に普通?”。よくデパートなどに入居している玩具屋の規模を大きくしただけ。といった印象です。豊富な品揃えで、小さなお店と比べればやはり見応えもあり楽しいのですが・・・

残念なことに妻が探していた玩具とは、「綺麗で可愛らしいもの」ではなく、「古くて少し不細工なもの」でした。現行品ではなくソ連時代の物。ビンテージ、デッドストックなどと呼ばれるような物でした。

しかし現行品もあなどれません。独特の感覚で作られた魅力的な商品もたくさんあります。結局購入をあきらめましたが、私も個人的に欲しいと思った面白い商品がありました。「人体模型」です(今までに見た事が無い感じ)。値段も安くありませんでしたが、その「大きさ」だけがどうしてもクリアできず、残念ながら今回は見送る事にしました。(次回は必ず連れて帰ってきます!)


なんだかんだと言いながらも、お店を出る時、私の両手は玩具で塞がっていました。
妻も「いい買い付けが出来た!」とご満悦の模様。


時計を見るといい時間です。(20:00)

本日の買い付け、これにて終了!。


デッドストックの羊の玩具

これは後日妻が見つけてきた玩具です。聞けば「本屋さん」で購入したと云うことでした。(サウナキャップといい、この玩具といい、何がどこにあるか解らないものですね)

ちなみに遊び方はわかりません!





2013年9月24日火曜日

買い付け・1




「休日」



マスタークラスも終わり、翌日月曜は美術館も休館日のため、久しぶりに丸っと一日自由です。

「ハバロフスク観光しようかな?」


「旅の目的」

今回のハバロフスク滞在の目的は、言うまでもなく極東美術館での個展開催です。しかし同行した妻には、それとは別に大きな目的がありました。
”ロシア雑貨の買い付け”です。

妻は地元岐阜で、「ロシア雑貨などの輸入雑貨・フェアトレード商品をメインに扱う雑貨店」を営んでおり、帰国後「RUSSIA FAIR」なる企画展を開催する計画を立てていました。そのため今回のハバロフスク滞在中に、「お客様に喜んでいただける魅力ある商品を仕入れてくる!」という"大いなる使命"を持ってやって来たのでした。

彼女にとっても丸一日自由に過ごせるのは美術館の休館日しかありません。「本来の自分の仕事」が出来る貴重な時間なわけです。


「・・・わかりました、荷物持ちになりましょう。」(美術館ではいろいろサポートしてくれてるからね)


そんなわけで、「休日=買い付け」ということになりました。



まずは定番の「中央市場」へ向かいます。


気持ちのいい朝です!


新旧建築物

買い付けが出来る喜びか?はたまた天候のせいなのか?


10年後、こういったお家は存在しているのでしょうか?




ムラヴィヨフ・アムールスキー通り

不思議な感じです。

高層建築物もたくさん建っています。

”スパルタン”なアパートメント。

車体には「児童」の文字が。スクールバスですね。とても味のあるイラストです。





「中央市場」

アパートから歩いて30分ほどで中央市場に到着しました。
この市場は屋外と2階建ての屋内で構成され、屋外には生活雑貨品・衣料品・食料品、屋内には生鮮食品と何でも揃っています。

まずは屋外から・・・


プロの”鼻が利く”のでしょうか?サクサクと見ていきます。

オモチャ屋さん

「スコーリカ エータ ストーイト?」(これはいくらですか?)

ロシア語で値段を尋ねる事はできても聞き取ることはできず、”指差し会話帳 or 電卓”が登場します。

ステーショナリー屋さん?ノートや絵本などを購入していました。

おばあちゃんのお店です。
「何、見てるの?」と尋ねると、
「おばあちゃんの下着を探してるの」と。(・・・わかりません。)

確かにロシアのおばあちゃんは可愛いらしいです。




「屋内の様子」


市場内をぐるっと一周し、いくつかの買い物を済ませると、お腹も空いてきたので近くの公園でランチタイム。



ベンチにも広告。


妻が作ってくれたサンドイッチをいただきます。チーズの味が濃厚でとっても美味しい!

鳩たちを操ろうとする私。(パンをあげてるだけですが)

お腹も満たされたところで、次の場所へと移動します。



途中、本屋さんに立ち寄りハバロフスク市庁舎のある「レーニン広場」へ。

 ここにも鳩たちを操ろうとする(?)人の姿が。


「買い付け=観光」

いわゆる”入場料を払って何かを見る”というような観光ではありませんが、このように歩いて買い付けをしていると、自然と観光スポットを押さえる事になります。また街の、人の、景色もよく見る事ができ、結果的には正に「一石二鳥!」となりました。


この時点で荷物がかなりの重量になっていたため、一旦アパートへ戻り出直すことにしました。


続く